商品が売れない三大理由とマーケティングの原理原則

商品が売れない三大理由とマーケティングの原理原則

こんなに頑張っているのに、なぜ売れないんだろう・・・
商品が悪いのかな?品揃えが少ないせいかな?やっぱり立地が良くないからだろうか?何が他社に負けているのだろう?

多くの経営者の方が、そう考えます。
商品やサービスが売れない本当の理由はいったい何なのか?それを3つのポイントに絞ってお伝えします。

マーケティングの原理原則の話であり、Web(ホームページ)でもオフラインでも、その重要ポイントは全く変わりません。


大きな間違いとは・・・?

ほとんどの経営者の方が、売れない理由を勘違いしています。

  • 商品やサービスの質が悪いから、売れない。
  • 品揃えが悪いから、お客が来ない。
  • 地理的条件(場所)が悪いから、お客が集まらない。
  • 小さい会社だから、信用してもらえない。
  • 景気が悪いから、売れない。
  • 安くしないと、買ってもらえない。

このような思考をしているのであれば、いつまでたっても儲かりません。なぜなら、これらは理由ではなく、言い訳だからです。商品が売れない言い訳をしているに過ぎません。理由ではないのです。

では、1つずつ説明していきましょう。

商品やサービスの質が悪いから、売れない。

提供する商品やサービスの質を向上させれば、もっと売れる!
そう考えている経営者の方は多いですが、残念ながら、品質を向上させただけでは売れません。何故なら、品質は買った後でないと分からないからです。

品質だけで売れるのは、飛び抜けた商品やサービスだけです。

例えばディズニーランドやイチロー、F1のトップドライバーや石川遼選手など、スペシャルなものだけです。これらスペシャルな商品やサービスは、代わるものがありません。

もちろん、質の向上は大切な事です。しかし、それだけでは売れない事は、理解しておく必要があります。

品揃えが悪いから、お客が来ない。

地方部や街外れに行くと、ラーメンからうどん、パフェ、コーヒーまで提供しているお店があります。これが成り立つのは、近所に専門店がない場合だけです。

もし近所にスターバックスがあるのなら、ラーメンも提供しているお店でコーヒーを飲もうとは、誰も思わないでしょう。どうせなら、専門店に行きたいですよね。

でも、売れないからと言って、選びきれないほどメニューを増やしているお店を見かけます。あなたのビジネスは、そうなってはいませんか?

地理的条件(場所)が悪いから、お客が集まらない。

これは飲食店に限らず、来店を必用とするビジネスオーナーに多い勘違いです。
もし場所が悪いから売れないのであれば、解決は簡単です。
場所の良いところに移動すれば良いだけです。

しかし、良いと思われるような立地条件でも、閉店する店舗はたくさんあります。また、そのような場所は、家賃も高いものです。

場所が悪いからお客が来ない、と言い訳している経営者は、お客様を来店させる努力をしていないだけです。そもそもお客様は、場所だけで選んでいる訳ではありません。

小さい会社だから、信用してもらえない。

会社の規模が大きい、という理由だけで信用するほど、今のお客様は単純ではありません。信用してもらうには、それだけの理由が必要なのです。

信用してもらえれば、会社の規模に関係なく、お客さんは買ってくれます。誰も信用できない人からは、幾ら安くても買いたくはありません。

つまり、信用・信頼してもらうためには・・・?
を常に考えていけば、自然にあなたのビジネスは、会社の規模などに関係なく、お客さんは集まって来るのです。

大切な事ですので、必ず覚えて下さい。
買ってもらうための最重要のキーワードは、『信用・信頼』です。

景気が悪いから、売れない。

あなたの会社が、トヨタやソニー、パナソニックのような規模であれば、景気や為替相場に左右されることは理解できます。しかし、ほとんどのビジネスでは、景気なんてあまり関係ありません。

テレビや新聞で、景気が悪い、と毎日のように報道されると、そのような気になってくるものです。しかしこれは、メディアによる洗脳、と言っていいかもしれません。

例えば、景気が悪いからお客が来ない、と言っている美容院があったとしましょう。景気が悪くなると、人は髪を切ったりカラーをしなくなるのでしょうか・・・?

そんな事はありません。私は髪を切りに行くし、あなたも行くハズです。ただ、毎月1回行っていたものを、3ヶ月に2回に減らすくらいです。その減った分を、集客活動をして補えば良いだけです。

何もしなければ、同業他社と同じように、売上げ減少に悩むかもしれません。
でも、マーケティング活動を少し実行するだけで、その程度は十分に補えます。

景気を言い訳にするという事は、マーケティング活動をしていない、と自ら人に言っているようなものです。

安くしないと、買ってもらえない。

もし本気でそう考えているようであれば、あなたのビジネスは長続きしないかもしれません。何故なら、売りたいが為に価格を下げるのは、思考の停止した人がする事だからです。言葉は悪いですが、何も考えなくても、バカにでもできる事です。

安いという事に価値があるのは、『一番安い』場合だけです。二番目、三番目では、価値はありません。安さを求めるお客様にとっては、一番以外には、価値はありません。

もしあなたが、安さで一番になったところで、すぐに他のバカが値下げをして、一番を奪い返します。二番になれば、もう売れません。

価格ドットコム、というサイトがあります。さまざまな商品の販売価格を、一覧で見る事ができる便利なサイトです。

価格順に表示した場合、送料や支払い方法が各社で異なりますが、おそらく売れるのは、1~5番目くらいまででしょう。幾ら上位表示をされていても、合計金額が大きく違えば、まず売れません。

それに、安くするという事は、利益率の低下を意味します。いくら売っても儲からなくなります。薄利多売は大企業に任せておけば良いのです。

では、モノが売れない本当の理由は、いったい何なのでしょうか・・・?


商品が売れない3大理由とは?

あなたの商品やサービスが売れない理由は、景気の悪さでも品質でも、地理的条件でもありません。商品やサービスが売れない3大理由とは、以下の三つです。

知らない。
買いたくない。
あなたから買う理由がない。

非常にシンプルですが、これが真実です。大切な事なので、必ず覚えて下さい。

あなたがお客様に商品を買ってもらうためには、この三つの壁を越える必要があります。順を追って説明します。

知らない。

世の中のほとんどの人は、あなたの事を知りません。あなたのお店や会社を知りません。あなたの提供する商品やサービスを知りません。だから、あなたから買う事はありません。

どんなに美味しいラーメン店でも、その存在を知らなければ食べる事はありません。
どんなに上手な自動車修理工場でも、知らなければ依頼する事はありません。
どんなに上手な美容室でも、誰にも知られていなければお客さんはやってきません。

売れない最大の理由は、『知らない』という事です。だからあなたは、まず知ってもらわなければならなりません。その知ってもらう方法が、広告活動です。

広告には、様々なものがあります。
テレビCM、ラジオCM、新聞広告、雑誌広告、折込チラシ、ポスティングチラシ、DM、FAXDM、ネット広告、看板、フリーペーパー・・・

それらを、媒体と言います。
媒体を通じて、知らない人にメッセージを送る、それが広告活動です。

買いたくない。

あなたの事、あなたの会社やお店、あなたの商品やサービスを知ってもらった次に出てくる壁が、『買いたくない、欲しくない』という感情です。

  • 髪はそのうち切るけれど、今は切りたくない
  • お肉を買いにスーパーに来たけれど、今日はサンマは必要ない
  • 車を少しキズ付けたけれど、修理しなくてもいいかな
  • 保険の変更が必要かもしれないけれど、面倒臭そうだからイイや
  • 新しいカメラに興味はあるけれど、また考えよう

これらはすべて、そのうちに買うかもしれないけれど、今は買いたくない、その商品は今は欲しくない、といった感情です。

ここで、少し思い出してみて下さい。
あなたは、目的を持って買い物に行ったのに、目的と全く違う物を買った経験はないか・・・?
買おうとは思っていなかったのに、つい買ってしまった物はないか・・・?

誰にでも、一度や二度はあるはずです。これらは全て、『欲しくない』と思っていたにもかかわらず、『欲しい!』と、感情が変化したからです。

買うかどうかの判断をするのは、感情です。理論ではありません。

『人は感情でモノを買い、後で正当化』します。

あなたから買う理由が無い。

あなたの事を知り、あなたの商品を知ってもらっても、その商品が他でも入手できるモノであれば、何もわざわざ、あなたから買う必要はありません。

そこで、あなたから買わなければならない理由を伝え、その商品を買うのなら『是非、あなたから!』と思ってもらう必要があります。

たとえばあなたが、新車を売っていたとしましょう。
「見積は無料です。納車します。車検も点検もやっています。」
これは、どこでも当たり前にやっている事で、あなたから買う理由にはならないどころか、逆にこれが出来ないとしたら問題です。

では、これではどうでしょう。
「6ヶ月点検を無料でいたします。車両のお引取りにもうかがいます。」
少しは良くなったでしょうか。

もう少し、理由を考えてみましょう。
「弊社は、新車購入のお客様には、6ヶ月点検だけでなく、初回のオイル交換も無料でサービスします。」

もっと無いでしょうか・・・
「弊社は、快適なカーライフを実現するショップです。そのため、新車ご購入のお客様には、6ヶ月点検、初回・2回目のオイル交換が無料です。また、お客様の手を煩わせません。車検や点検だけでなく、たとえオイル交換だけでも、車両の引取りから納車まで、全て喜んでお引き受けします。あなたは、お電話するだけです!」

あなたなら、どこで車を購入しますか・・・?


USP(Unique Selling Proposition)

マーケティング用語で、独自性とか他社との差別化、自社の強みの事をUSPと言います。

※USP(Unique Selling Proposition)
自社や自社製品のみが持つ、独特の強みのこと。他社や他社製品と明確に差別化が行えるような、市場に対する独特の提案を意味する。

分かりやすく有名なUSPに、ドミノピザを巨大企業にしたものがあります。
『焼きたてアツアツのピザを、30分以内にお届けします。』

こだわって作っている、とか、美味しい、とか、味に関する事は、驚く事に何一つ言っていません。
たった一つの事を約束しているだけです。でも、たったこれだけの事で、潰れかけた小さなピザ屋が巨大企業に成長したのです。

あなたのUSPを考えてみましょう。
これが出来れば、あなたのビジネスは、間違いなく加速していきます。


マーケティング活動の重要性

現在の日本では、ほとんどの物が手に入ります。あなたが取り扱っている商品やサービスは、あなた以外からも入手可能です。ですから、あなたから買うべき理由を明確にし、それをターゲットに知らしめる必要があります。これが『マーケティング活動』と言われるものです。

つまり、
『誰に、何を、どうやって売るか!』
という事です。

事業規模の大小や景気動向、立地条件ではなく、マーケティング活動を行なっているかどうか、それがあなたの事業の今後を左右します。


まとめ

商品やサービスが良ければそれだけで売れる、という時代では無くなりました。あなたと同じ商品、同じサービスを販売している競合はたくさんあります。

その競合より売れないのは、商品の質でも品揃えでも立地でもありません。マーケティング活動の差です。

お客様は、あなたの事を知りません。あなたから買いたいとは思っていません。その中で売るには、『知らない、買いたくない、あなたから買う理由がない。』という3つの壁を乗り越える必要があります。その、壁を乗り越える作業がマーケティング活動なのです。

知ってもらい、他社との差別化やUSPを強みにして、あなたから買う理由を伝えましょう。差別化やUSPが無ければ、もう一度探してください。それでもなければ、作ればよいだけです。

マーケティング活動でお悩みの方は、当社が手助けいたします。